停滞期とは減量期間中にいくらダイエットを頑張っても体重が痩せない期間の事です。停滞期はダイエットをある程度継続して行っていると必ず訪れるものでこれは身体のセーフティー機能が働く事で起こる「身体を保護する機能」なのです。痩せない停滞期を脱出する方法は「停滞期を耐える・停滞期を迎えない」の2つです。
この記事ではダイエットで必ず直面する停滞期に関して「概要・仕組み・対策方法」の総合知識を皆様へシェアさせて頂きます。
目次
1.停滞期とは
2.ダイエットで停滞期に陥る仕組み
3.ダイエット中に訪れる停滞期を察知する
4.痩せない停滞期をごまかす方法
5.ダイエット中に訪れる停滞期を脱出する方法
1.停滞期とは
停滞期とは身体のエネルギーの消費量を少なくするセーフティー機能が働いている期間のことです。停滞期は主にダイエットでの食事制限で体内に入ってくるエネルギーが以前より少なくなる事で起こる身体を守る仕組みです。
停滞期=恒常性の維持(ホメオスタシス)
停滞期の原因である身体のセーフティー機能をホメオスタシスと言います。
ホメオスタシスとは身体の恒常性を維持するシステムで、恒常性というのは身体の内部環境「自律神経系・内分泌系・免疫系」のことで健康を支えている根幹のようなものです。つまりホメオスタシスとは身体の健康状態を一定に保とうとする仕組みなのです。
例えば気温の低い所に行くと体温の低下を感じすぐに体温を戻そうと体温を上げ始めます。これが正にホメオスタシスであり急激な状況変化にも適応し身体を守る機能なのです。
そして「ダイエットを行って急激に体重が減っていく事を感知して身体が体重を減らないように保つ働きもホメオスタシスであり停滞期」なのです。
ちなみにホメオスタシスは1ヶ月以内に体重の5%以上が減ると最大限に働いてしまうという報告があります。
2.ダイエットで停滞期に陥る仕組み
ダイエットでは食事制限「カロリー制限・糖質制限」と運動を組み合わせる事が基本です。要するに体内に入って来るエネルギーが少ないのにエネルギーの消費量は増えてしまいます。
つまり摂取エネルギーよりも消費エネルギーが多い事で体重が落ちていることを身体に気付かれてしまうと停滞期になってしまうのです。
各ダイエット方法で停滞期を迎える期間の目安
一概には言えませんがおおよその目安としてインドの医師が様々なダイエットの減量計測で導き出した結果からダイエットで停滞期に陥る期間を説明します。
上記のグラフは2008年のNew England Journal of Modicine世界で最も評価の高い臨床研究雑誌の一つに掲載された論文の実験データです。
この3つのグラフはイスラエルで働いている人達の中でBMI27以上の人322人を選び不作為に三つのグループに分けてダイエットをしてもらい体重の減少を追跡したものです。
棒線グラフは「紫色の三角が糖質制限ダイエット」「赤色のひし形がカロリー制限ダイエット」そして「黄色の四角が地中海ダイエット」というカロリー制限と軽い運動を組み込んだ3種類のダイエット方法の結果です。
グラフから停滞期を読み解くと、どのダイエットも2ヶ月目から体重の下がり幅が少なくなっている所あります。これが「停滞期の前兆」です。
そして「カロリー制限に関しては2ヶ月から3ヶ月の間で体重の落ち幅が少なくなっているので実質これを停滞期」と捉え、「糖質制限に関しては3ヶ月目から停滞期」に入ると考えると良いでしょう。
停滞期の原因となる食事制限の解説
- カロリー制限:カロリー制限ダイエットは食事量(カロリー)を減らして一時的にエネルギー不足の状態を作るダイエット方法なので停滞期に陥りやすいです。
上記のグラフ結果から見てもエネルギー不足の状態なのでホメオスタシスに気づかれやすく停滞期に入るのも早いです。 - 糖質制限:糖質制限ダイエットは糖質量は減らしますがカロリーを減らす訳ではないのでエネルギー不足の状態になりにくいダイエット方法なので停滞期もカロリー制限よりは遅いです。
つまり身体のエネルギー状態も悪くないのでホメオスタシスに気づかれるのも遅く停滞期に入るのも遅いという実験結果になっています。 - ファスティング:ファスティングは断食をともなうハードなカロリー制限ダイエットですが期間が短いのでホメオスタシスに気づかれて停滞期に入るまでもありません。ただし極度のカロリー制限をするのでリバウンドには注意が必要です。
ダイエット=飢餓状態と身体は判断
ホメオスタシスが介入することで起こる停滞期はダイエット期間中の身体を飢餓状態だと判断しているのです。
分かりやすいのがモデルさん達です。彼女たちは常にダイエット状態を継続しているのが伺えると思いますが、それは体形を維持するために過度なカロリー制限やファスティングダイエット常に行っているけれども痩せ続けている訳ではありません。
つまり過度なカロリー制限を行いながら運動しても痩せないというのは過度なエネルギー不足をホメオスタシスが飢餓状態と判断しているので常に停滞期だからです。
3.ダイエット中に訪れる停滞期を察知する
第2章で停滞期に関する目安は解説しましたが、停滞期に個人差があるのも事実です。停滞期を脱出回避するには事前に停滞期を把握する必要があります。
つまり停滞期に入ってしまってからでは対処しようと思っても手遅れになってしまうので停滞期の前兆を察知するために日々の体重を計測する必要があります。
日々の体重を記録する=停滞期の前兆を察知
まずダイエット開始から日々の体重を計測します。順調に減量が進んでいれば日に日に体重が落ちていき右下がりのグラフのように体重が降下していくはずです。
こうしてダイエットを継続していくと今までは順調に下がっていた「体重の下がり幅が少なる時」がやっていきます。この落ち幅が変化する(体重の減りが少なくなる)時が停滞期の前兆なのです。
この状態までくれば停滞期に入るのは時間の問題となります。
そしてこの前兆を見逃さない為には正確な食事制限と正確な記録が必要不可欠となりますので安定した規則正しいダイエットを継続してください。
4.痩せない停滞期をごまかす方法
停滞期に入る前の体重の下がり幅が少なくなった時はまだ停滞期に入っていないのです。つまり身体が気付いてない状態なのでホメオスタシスを騙すことができるのです。
要するに騙す方法とはホメオスタシスを「勘違いさせる」ことと「気付かせない」ことです。
停滞期を迎える前にチートデイを挟む=勘違いさせる
チートデイとはホメオスタシスを騙す日のことです。
ホメオスタシスが働いて体重が落ちない停滞期に入ってしまうのは消費エネルギーよりも摂取エネルギーが少ないことが大きな原因なのです。
つまりチートデイとは停滞期に入ってしまう前に一日だけ摂取エネルギーを増やして身体に「エネルギー不足の状態じゃなかったんだ」と勘違いさせ、ダイエットをカムフラージュし停滞期をやり過ごす方法です。
チートデイの実施方法
- 正確な体重計測:チートデイを行う為にも停滞期の前兆である体重の下がり幅が少なくなる日を的確にとらえなければなりません。その為に安定したダイエットを継続し正確な体重計測が必要になります。
- チートデイを決行:正確な体重測定の結果体重の下がり幅が少なくなる日を発見できれば、その翌日から数日間がチートデイを決行する日です。体重の下がり幅が少なくなる期間は身体がダイエットを疑っている期間なのでこの期間内にチートデイを挟むと効果的です。
- 食事摂取量:チートデイの食事の仕方ですがカロリー制限なら1日置き換えを辞めます。糖質制限なら夜以外の2食を糖質を食べます。その結果一時的に体重は少し増えますが、体重が増えた=エネルギー不足ではないと身体は判断しているということです。
- ダイエットを継続:一時的にエネルギーを補うことで停滞期仕組みであるホメオスタシスを騙すというチートデイを無事に終えたら後は今までのダイエットを継続する事で停滞期の影響が少ない状態で減量できます。
停滞期になる前にダイエットを終える=気付かせない
もう一つは停滞期に入るまでにダイエットを終了する方法です。
カロリー制限も糖質制限も停滞期に入る目安としては最低2ヶ月はかかってしまうので、その2か月間で痩せられるだけ痩せて終了するのが最も効率良くストレスの少ないダイエットだと言えます。
しかも一度も停滞期に入っていないので仮にもう一度ダイエットを行う事になってもすんなりと体重が落ちてくれます。
これは一度停滞期に入ってしまうと身体は「ダイエットは体にとってエネルギー消費が多すぎる良くないもの」だと判断し覚えてしまうので2回目のダイエットは痩せにくいのです。
つまり「長々とダイエットを継続する→結果的に停滞期に入る→停滞期で痩せなくて挫折する→また太る→2回目のダイエットを行う羽目になる」というのが減量を失敗してダイエットを繰り返す人が陥る現象です。可能ならメリットが多い2ヶ月間でダイエットを終わらせる事をおすすめします。
5.ダイエット中に訪れる停滞期を脱出する方法
停滞期に入るまでに目標に到達しない場合は根気強くダイエットを継続するしかありません。その結果必ず停滞期に入ってしまうのは仕方のないことです。
つまり停滞期に入ってしまった場合あなたにできる唯一の解決策は痩せない期間を「耐える」ことです。
停滞期に突入してもダイエットを継続する
停滞期に入ってしまうと体重は落ちませんが停滞期を脱出するためにダイエットを継続して下さい。
停滞期は身体のホメオスタシスが摂取エネルギーよりも消費エネルギーが多い状態に危機感を感じているために起こりますが、裏を返せば「安全かどうか分からないので身体が状況を判断するまではエネルギー消費を少なくし一時定期にリスクを回避している」状態にすぎないのです。
つまり身体が危機的な状態だと判断しても根気強くダイエットを継続し保つ事で、身体は「前よりは少ないけど安定してエネルギーは入ってきているので今はこの状態が普通なんだ」と判断し身体のセーフティー機能を解除してくれます。
停滞期中のダイエットの一番の問題点
停滞期の一番の問題は落ちない体重に対してモチベーションを失いダイエット辞めてしまうことです。
ダイエットに挫折した結果、痩せないストレスや自己嫌悪からドカ食いしてしまい以前より体重が増えてしまう人が多くダイエットに失敗してしまいます。
つまりあなたの停滞期を脱出する最善の方法はあなたの「身体の仕組み」とあなたの「痩せたいという意志」の忍耐勝負ということです。
停滞期で一番重要なのはダイエットを継続するモチベーション
ダイエットをやめてしまうと高確率で減量に失敗するので継続することが一番重要です。
継続ができない一番の理由が「本当にこの先体重が落ちるのだろうか?痩せないのに続ける意味はあるのだろうか?」という疑心暗鬼に陥ってしまい自分の行動に自信が持てなくなることです。
ですが停滞期は身体の一時的な機能だという事が理解できていればその内に停滞期は過ぎ去り体重がまた落ちると信じられるので継続できるはずです。そして辛い停滞期を耐えしのぎダイエットの目標を達成した時の自分の姿を想像することで継続する意味を見出しましょう。
つまり「ダイエットが終われば楽しい未来が待っているんだ」と強く意識することで高いモチベーションが湧き上がって来ます。
モチベーションに関しては「ダイエットのモチベーションを上げる方法と保つ方法」をご参照下さい。
以上でダイエットの停滞期に関する記述を終えさせて頂きます。
停滞期はある程度長い期間きっちりとダイエットを行えば必ずやってくる辛い時期です。その停滞期を乗り越えるのか回避するのか、はたまた迎える前に辞めてしまうかはあなた次第です。
少しでもお困りの皆様のお役に立てれば幸いです🌸